室生犀星(むろう さいせい) 明治22―昭和37(1889―1962)
詩人・小説家。本名照道。金沢生まれ。高等小学校中退。北原白秋、萩原朔太郎らと交わり、抒情詩人として出発。のち、小説に転じ、さまざまな方法的実験をしながら、烈しい人間追求と鋭い感覚描写の作品を発表した。作品に『愛の詩集』『抒情小曲集』(以上、詩集)『性に目覚める頃』『杏っ子』『蜜のあはれ』『かげろふの日記遺文』(以上、小説)などがある。(全集あり)
室生犀星は1920年(大正9)に初めて軽井沢を訪れ、その後1931年(昭和6)に軽井沢1133番に別荘を建て、亡くなる前年までの毎夏約3ヶ月を軽井沢で過ごした。その間、1944年(昭和19)から1949年(昭和24)9月まで軽井沢で疎開生活を送った。軽井沢を舞台にした作品に『杏っ子』『聖処女』『木洩日』(以上、小説)、「碓氷山上之月」「信濃追分の記」(以上、随筆)はじめ数多い。1961年(昭和36)、軽井沢矢ヶ崎川二手橋畔に自らの詩碑を建てた。室生朝子(随筆家)は長女。